2021年6月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30      
カテゴリ
研修医 新着記事
「ふくおか・さが民医連新聞」2021年5月15日第567号に掲載された記事をご紹介します。

「ホームレス医療支援の今~社会を知り、人を知り、成長できた活動~」
有馬泰治(公益社団法人福岡医療団千鳥橋病院 総合内科科長)

2009年2月から毎月第一金曜日に冷泉公園(博多区)でホームレス医療支援の活動を行っています。
医療支援を始めようと思ったきっかけは、当時だんだんと増加していくホームレスの方の救急受診や入院に対して、何が起きているのかを知りたいという関心と、自分には何ができるのかという思いでした。
ホームレスの診療において医学的介入だけでは不十分でさまざまな角度からサポートが必要になります。チームの力で多くのケースを解決し、良いことを行っているとは思いましたが、疲労感や陰性感情がありました。

病院という枠から抜け、現場に出て直にホームレスの方と話をしたい、同時に医学生委員長として学生にも現場を知る機会を作りたいと思い始めました。
活動を続けて10年以上経過しました。振り返ってみて、医療支援の活動は私にとって「社会への窓口」だったと思います。


DSCN0816.JPG
▲福岡おにぎりの会の炊き出しに並ぶ方々


医療職は、病院という白い箱の中で、医療を提供する立場として、患者さんに医療を強制しがちです。医学的に正しいことがその人にとって正しいこととは限りません。公園では、ホームレスの方がなかなか病院では言えないことを教えてくれます。間違っていると感じることもありますが学ぶことも多いです。ホームレスの方は、人生の先輩だと私は考えます。仕事に就きそれを失ったこと、結婚し離婚したこと、親を亡くしたこと、人に騙されたこと、さまざまな人生経験が私の勉強になります。社会を知り、人を知ることができます。

ホームレスへの医療支援は一発だけの企画にしたくないと思い一隅を照らす気持ちで細々続けてきました。学生さんへの講演の機会を得たり、院外の方と出会い一緒に勉強会をする機会も得て私は成長することができました。

少し足を踏み出そう

ホームレスの支援の活動は一つの社会活動ですが、世の中には他にも問題があります。子どもの貧困、外国人の貧困、私もいろいろ気になります。職員の皆さんは病院の中の活動も大事ですが、社会につながる活動にも参加してほしいと思います。少し足を踏み出せば面白い出会いがあることと思います。

DSCN0813.JPG
▲医療相談に応じる有馬医師



*転載許可確認済み。

ホームレス医療支援ネットワークのページ

【お問い合わせ】
千鳥橋病院臨床研修課(担当:今井・砂川)
TEL:092-651-2167(直通) 
MAIL: ch-igakusei@fid.jp

by chidoribashi
初期研修のページを更新しました。
お問い合わせ
千鳥橋病院 医局事務部臨床研修課
〒812-0044 福岡市博多区千代5丁目18-1
TEL:092-651-2167
by chidoribashi
医師体験Zoom_censored.jpg


千鳥橋病院では、毎年春と夏に開催をしている高校生1日医師体験を、新型コロナウイルス感染拡大のため、オンラインで開催しました。

初の試みでしたが、8月13(木)、20日(木)の2日間で総勢55名の参加がありました。例年行っている病院見学は、医師体験を体感できるよう、オンライン(ZOOM)にて各部署(ER、オペ室、放射線科、薬剤部、検査部、通所リハ)の紹介動画を視聴!

医師講演は、研修医の菊池先生より心に残った患者さんのお話しをしていただき、「ドラマのようには上手くいかない、でも感動的なこともたくさんある」と医師を志す高校生にエールを送りました。


zoom0.jpg
心に残った患者さんの話をする菊池先生



ZOOMのチャット機能で質問を随時募集し、家入雄太先生・佐々木拓也先生が高校生の疑問に答えました。また医学生にも協力してもらい、医学生生活や受験についてお話ししてもらいました。


zoom3.jpg
家入先生・佐々木先生も参加!


zoom 2.jpg
研修医1年目の谷口先生は、高校生時代にこの医師体験に参加した経験が♪



zoom5.jpg
<参加いただいた高校生の声>
残念ながら直接訪問することはできませんでしたが、「百聞は一見にしかず」とあるように、実際の医療現場の様子を画面を通してこの目で見ることができたので、自分の目指す職業のイメージがより明確なものとなりましたし、医療というのはチームで協力することがとても大切であるということを学ばせていただきました。(高校2年生)

今回の医師体験で今まで以上に医師になりたいという気持ちが高まりました。そして、医師以外にも臨床検査技師など医療に携わる方法は沢山あることに気付きました。また、実際の体験談なども聞き、患者さんときちんと向き合う事、対話していく事がどれだけ大切なのかということにも気付きました。病気をみるだけでなく患者をみる事は大切だと改めて思いました。(高校2年生)

千鳥橋病院 研修医・医学生のページ
by chidoribashi

~福岡大空襲の翌日、少年は焼け野原の博多を見た~

7月18日(土)千鳥橋病院では「戦争体験を語る会」を開催し、医学生や研修医含め9名が参加しました。
ふくおか健康友の会たちばな支部副会長の寺川了禄さんに語り部として参加して頂きました。


DSC_0047-2.jpg

1部 「平和のために今できること」
1945年6月19日福岡大空襲の翌日、博多の街で何が起きたのかを語って頂きました。
「機械のように感情を殺し、軍手でたくさんの遺体を運んだ。死体からにじみ出た油を東公園で洗い、配給でもらったおにぎりをその手で食べた。
極限状態に追い込まれ、感情はマヒしてしまった。戦争によって人間は変わる。戦争は二度とやってはいけない。」と当時13歳、現在88歳の寺川さんは語られました。

第2部 「Peace Music ~いのちを奏でる~」
千鳥橋病院初期研修医の谷口悠希医師がフルートの演奏を行いました。

DSC_0050-2.jpg

~研修医から一言~
もし自分がその時代に生きていたらと考えると、とても胸が痛みました。話を聞く中で、私達が大人になった今、戦争体験を聞く意味を考えました。
もちろん「戦争を起こしてはいけない」という考えは変わりませんが、幼少期と何が違うか考えると、話を聞いて自分に起こせる行動があることに気がつきました。
よりよい暮らしをするために社会情勢に目を向けなおすきっかけとなり、今後も選挙権を大事にしようと思いました。


by chidoribashi

こんにちは、医学生担当の砂川です。
今回は、医学生から寄せられた質問に、救急センター部長の佐々木隆志先生と同副部長の中司貴大先生にお答え頂きました!

Q.研修医にこれだけは習得してほしいというマインドはありますか?

佐々木先生:患者さん本人はもちろん、付き添いのご家族にも具体的できめ細やかな対応をとることが必要だと考えています。患者さんを帰すときには、帰宅後のケアの方法などをしっかりとナビゲーションする。診療中も、ご家族の方を放置せず、きちんと説明をする。救急搬送には大きな不安がつきまとうので、配慮を欠かさないことが大切です。

Q.どういう症例がきたら怖いですか?

中司先生:生命が危ぶまれているケースは、やはり緊張がはしります。とはいえ、私は毎日緊張しながら診療にあたっていますね。大きな責任が伴う分、ストレスの負荷も高いです。オンとオフをしっかり切り替えて、ストレスコントロールを大切にしています。

Q.救急で素早くオーダーを出すためには、どんな勉強をすればいいですか?国試対策の勉強をしっかりしていればできるようになるのでしょうか。不安です。

中司先生:うーん、私個人は学生時代にそんな勉強はしていなかったのですが...(笑)
教科書でみるような稀な疾患に遭遇することもありますが、コモンディジーズをしっかりおさえておくことは大切だと思います。一般的な臨床の場にどんな人たちが来るのかを知ることも、実践的な診療能力につながると思います。
おすすめの書籍は「レジデントノート」(羊土社)はどうでしょうか。実践的かつ入門的なので、とっつきやすいと思います。国試対策として効率的かというと、そうではない気がしますが、とても有用だと思います。

Q.患者さんから無茶な要求があったり、怒られたりした時、どのように対応していますか。

中司先生:心を落ち着けて、できること、できないことをしっかり説明するようにしています。すべての要求には応えられません。エネルギーは必要ですが、冷静に向き合うようにしています。


当院で働く医師・スタッフへの質問を募集しています!
下記までお気軽にご連絡ください。
メール:ch-igakusei@fid.jp
LINE ID:chidorisuna  千鳥橋病院 医学生担当 砂川

千鳥橋病院では、初期臨床研修オンライン説明会を行っています。
こちらから参加登録ができます。


by chidoribashi | トラックバック(0)

こんにちは!医学生担当の牛島です。

オンラインによる研修説明会を開催します。

個別によるWEBでの説明会です。お気軽にお申し込み下さい。

0001.jpgのサムネイル画像





















日 時 月曜日~金曜日10時~18時 ※18時以降でも対応可能です。ご相談下さい。
     土曜日:10時~13時
     ※所要時間は30分から1時間を予定

内 容 研修説明・研修医とフリートーク!質問タイム!

対 象 医学部医学科学生(低学年可)

方 法 オンライン会議システム「Zoom」を活用
            ※カメラとマイクが内蔵されたノートPCでの参加をお勧めします。
      ※事前のダウンロードは不要。簡単操作でアクセスできます。
      ※その他のシステム希望の方はご相談下さい。
      ※参加申込み後、招待URLをメールにてお送りします。
      ※Wifiなどネット通信環境をご確認下さい。    

申込み 申込みフォームより、必ずご希望日の3日前までにお申し込み下さい。

その他 服装は、スーツでなくて構いません。私服でご参加下さい。

申込みフォーム お申込みはこちらをクリック!

-お問い合わせ-
福岡医療団 千鳥橋病院
TEL :092-651-2167  MAIL:ch-igakusei@fid.jp
医局事務部 臨床研修課 医学生担当 砂川・牛島





by chidoribashi


こんにちは、医学生担当の牛島です!

以前もブログで紹介したフィットネスのトレーナーの方々に学生さん向け筋トレメニュー動画を作成していただきました!!
ぜひ、実践してみて下さいね♪

こちらからYouTubeでご覧いただけます。



by chidoribashi | トラックバック(0)

こんにちは、医学生担当の砂川です。
今回は、千鳥橋病院のERを紹介していきます。

20200601ブログ写真①.jpgのサムネイル画像

この日、ER研修初日を迎えた1年目の松永先生(写真右)
『京都ERポケットブック』(医学書院)を携え準備万端です。
当院の初期研修では、医師として臨床現場に立つ前に2日間のER看護研修を行っています。
看護研修でお世話になったER師長(写真中央)からあたたかい激励を受けています。

20200601ブログ写真②.jpgのサムネイル画像のサムネイル画像のサムネイル画像

ハートフルな雰囲気も束の間、急患です。
救急センター部長と上級医に見守られながら、外傷の処置を行う松永先生(写真左)。
初日なのでさぞ緊張しているだろうと思っていましたが、落ち着いています。
ゆっくりと丁寧な口調で、外傷を負った状況を患者さんに確認していきます。
上級医と相談しながらオーダーを出し、看護師との連携で処置も無事に終了しました。
松永先生、お疲れさまでした!

20200601ブログ写真③.jpg

当院のERは、3,4人の医師により、24時間体制で2次救急医療に携わっています。各科と連携し、急性心筋梗塞に対する救急PCIや消化管出血に対する緊急内視鏡治療、急性腹症をはじめとする各種緊急手術の初療に対応しています。
年間の救急車搬入台数は3,066台(18年度)、1日平均で8.4台/日となり、福岡市内搬送数の3.3%を担っています。

千鳥橋病院のERの特徴について、救急センター部長の佐々木隆志先生に話を伺いました。

佐々木先生:福岡医療団の医療と福祉のネットワークは、県内の広いエリアに展開しています。そのため、他の院所・診療所から緊急で当院のERに搬入されることが多々あります。救急車の搬入台数を上回る日もあるので、地域医療への応需は単に台数では計り知れないところがあります。
身体問題だけでなく、様々な心理・社会背景を抱え受診に至るケースもあります。経済的理由により、医療費の支払いが難しく適切な医療を受けられずに病状が悪化し、救急車で来院される場合もあります。

当院の救急研修プログラムでは、2年間を通じて原則として週に1単位以上のER研修を行います。また、最初にER看護研修を行い、ERでの他職種の動き、診療の手順、診療材料の保管場所などを学びます。

次回は、医学生から寄せられた質問にERのベテラン医師がお答えします!

千鳥橋病院では、初期臨床研修オンライン説明会を行っています。
こちらから参加登録ができます。お気軽にお申し込みください。









by chidoribashi | トラックバック(0)

学べば学ぶほど、自分が何も知らなかった事に気づく、気づけば気づくほどまた学びたくなる
byアインシュタイン(1879-1955)

皆さんこんにちは!
医学生担当の牛島です。

前回に引き続き研修医インタビューです!今回は、チームカンファについて聞いて来ました!現在、1年目研修医は3名ずつの2チームに分かれて研修を行っています。週に1度、チーム毎に研修医が持ち患者さんについてプレゼンをし、指導医と共にカンファレンスを行っています。

山口先生:具体的なフィードバックがもらえることで次にどうすれば良いか考えやすいです。和やかな雰囲気ですが甘い指導だとは思いません。

松永先生:患者さんへの問診、鑑別など多くの先生方から指導していただけるので緊張感を持ってプレゼンする良い機会です。知識だけでなくプレゼンの作法、画像を読む際の作法なども教わります。

古月先生:プレゼンでなかなか厳しい指摘を受けましたが今後どうすればいいかのアドバイスもくれるのでやりがいがあります。来週のカンファではもっと良い発表を!

谷口先生:毎週、担当患者さんのプレゼンをしていますが自分が疑問にすら思わなかったことを指摘いただいて勉強不足であることを実感しています。患者さんの病状だけでなく患者さんの生活背景なども含めて今後の方針を考えるのは大変ですが勉強になります。

伊佐先生:分かりやすく人に伝える難しさを毎週痛感しています。早く上手にプレゼンできるようになりたいです。

次回もお楽しみに!
by chidoribashi | トラックバック(0)

Fifteen minutes at the bedside is better than three hours at the desk.
3時間机で勉強するよりもベッドサイドの15分が勝る
By ウイリアム・オスラー(1849-1919)

皆さんこんにちは!
医学生担当の牛島です。

続きましては、ベッドサイドティーチング(院長回診)について聞いて来ました!
当院では、研修の一環として山本院長(総合内科)と研修医で回診を行っています。

山口先生:患者さんを全体から捉える見方を教えてもらっています。質問に答えられたら心の中でガッツポーズしてます。

松永先生:疾患に対するアプローチ、身体診療の取り方(意義)、患者さんとのコミュニケーションなど自分になかった観点から論理的に解説してもらえるので目から鱗の内容なのにスッと頭に入ってきます。

古月先生:身体診察がとても勉強になります。聴診や触診のコツを教わりました。力量の差が大きいので多くこなして上達を目指します。

畠中先生:認知症で会話もおぼつかない患者さんからいかに医学的所見をとるかを教わりました。ベッドが柔らかすぎて十分に動けていないとの指摘は目から鱗でした。

谷口先生:考え方などとても勉強になります。研修医の担当する患者さんを診るので同期が今どんな患者さんと向き合っているか知ることが出来ますし、自分が担当している患者さんについてどういった診察をしていくのか知ることができます。

伊佐先生:毎回、圧倒的な知識と診察方法の引き出しの多さにただただ驚くばかりです。教えて頂いたことをしっかり吸収していきたいと思います。



0E9179F6-3E58-43F4-9257-536971B898D0.jpeg
B07B1431-73D5-419C-9FC4-6383CA63F24E.jpegのサムネイル画像











写真は、回診の様子です。次回もお楽しみに!



by chidoribashi | トラックバック(0)